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局長に聞く72 福祉保健局長2014年11月20日号

 
社会全体で支える福祉へ

福祉保健局長 梶原 洋氏氏

福祉保健局長 梶原 洋氏

 東京都の各局が行う事業のポイントを局長自らが紹介する「局長に聞く」、72回目の今回は福祉保健局長の梶原洋氏。福祉保健局は、福祉分野や保健医療分野、さらに感染症や医薬品、食品衛生などの健康安全分野と幅広く所管している。今回は、その中でも今年度法定計画の改定を予定している福祉分野について主に聞いた。

(聞き手/平田 邦彦)

国に先駆けた施策も積極展開

—少子化対策の一環でもある子育て支援は都民に最も身近な問題のひとつですが、現在の取り組みは。

 都内には現在、保育サービスを利用できない待機児童が8千人以上います。その解消は知事の公約でもあり、9月に公表した「長期ビジョン中間報告」では、今後3年間で約4万人分を増やす計画を盛り込んでいます。

 国の「子ども・子育て支援制度」が来年4月から本格施行されるということで、都でもその計画づくりを進めていますが、保育だけではなく、児童虐待問題への対応も含め、妊娠期から子育てまでを社会全体で支える、一貫したサービスの充実のための施策を進めていきたいと考えています。

—多くの施策が関係すると思いますが課題は何でしょうか。

 国、都、区市町村という三層構造の中、制度設計は国、実施主体が区市町村です。区市町村に取り組んでいただけるよう、広域的な立場からサービス基盤の整備を促進することが、都の役割であり課題です。

 そのために、都はいろいろな施策を揃えています。例えば、保育サービスでは、都独自に、区市町村や事業者の負担軽減、都有地の減額貸付、定期借地権の一時金の補助などを行っています。

 また、包括補助制度を活用し、国の制度だけでは不十分なところを補完するとともに、東京の特性を踏まえたメニューを用意して、区市町村がそれぞれの地域特性に合った施策に取り組めるよう、支援しているところです。

—都の施策の中には国に先駆けたものも多いと聞きます。

 都は全国一律の制度の下で対応が難しいのなら国に先駆けて取り組もうと様々な施策を展開してきました。その意味でこれまでの福祉行政は東京がリードしてきたという自負があります。

 ただ、時代とともに制度を変えていくことも必要です。都としても、現金給付的なものは基本的に国の役割とし、都はいかにサービス基盤を整備していくのかという方向に大きく転換してきました。

 例えば保育についていえば、認可保育所一辺倒だった国の制度に風穴を開けて、大都市東京のニーズを踏まえ、零歳児保育や13時間開所を義務付けた認証保育所という新たな制度を構築しました。今では、認証保育所を2万2千人以上の子供たちが利用しています。

 東京には、ホームレス対策をはじめ、地方とは異なる大都市ならではの課題があります。今後とも、国に言うべきことは言い、都が先頭に立って、やるべきことをやっていくつもりです。

—人材の育成・確保も重要な課題です。

 人材を確保する上で重要な要素となるのが給付費ですが、地方と東京は状況が異なります。例えば現在の介護報酬の設定では、地域区分が設定されていますが、同じ「三級地」でも、愛知県と東京都では地価、物件費は全く違います。また、実際の施設や事業所の人件費割合と介護報酬の人件費割合にも大きな乖離があります。

 そのため、国に介護報酬改定等に関する提案要求をしていますし、施設を建築する際に都独自の補助金を上乗せしイニシャルコストを下げることで、ランニングコストの負担軽減を図るような施策も行なっています。

 

「心のバリアフリー化」も課題

—福祉を魅力ある職場にしていく取り組みも必要ですね。

 福祉サービスは対人サービスですから、人材は要です。人材をどう養成し、定着させ、一度離れた人材を呼び戻すか、そのしかけを考えることが、我々に課せられた宿題だと思っています。

 そのためには、ステップアップ、スキルアップする仕組みをつくり、働く人の人生設計の中で、福祉という仕事を、将来の見える仕事にしていくことが大事だと考えています。

—障害者施策では、現在、第四期障害者福祉計画を策定中と聞きます。

 障害者施策は、地域移行と就労対策がこれからの大きなテーマです。現在の障害者計画では、基本理念として、障害者が地域で安心して暮らせる社会の実現、障害者が当たり前に働ける社会の実現を掲げています。障害のある人もない人も、社会の一員として、お互いに尊重し、支えあいながら地域の中で共に生活する社会こそが当たり前の社会です。

 そのためには、人としての尊厳をもって地域で生活できるための施策を進めていかなければなりません。

 また就労面では、知的、身体、精神など障害の特性、個人個人の特性を踏まえた支援を考えていくことが必要です。

—社会全体での理解が求められますね。

 2020年オリンピック・パラリンピックに向け、誰もが住みよい社会とするユニバーサルデザインの考え方に立って、道路や建物のバリアフリー化を進めていかなければなりません。

 同時に、ソフト面でのバリアフリー、言い換えれば心のバリアフリーを進めていくことも必要です。現在、障害者施策推進協議会でも議論していただいていますが、普及啓発だけでなく、手話のできるボランティアの育成など、何ができるか、しっかり検討していきたいと考えています。

 

  
 

 

 

タグ:福祉保健局長 少子化対策 障害者施策

 

 

 

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