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社会に貢献するために 第9回 帝人フロンティア(株)前編2015年04月20日号

 
全国に広まりつつある「捨てない体操服」への取り組み【前編】
帝人フロンティア株式会社

帝人フロンティア株式会社

 子どもたちの学校生活で欠かせない体操服。それが古くなったり、子どもの身体の成長によって着られなくなったりしたら、これまでは捨てるしかなかった。しかし、ある2人の小学生の素朴な問いかけから、「永遠に捨てない体操服」を作り上げるプロジェクトが京都市でスタート。東京を含む全国各地に拡大しようとしている。

(取材/種藤 潤)

京都市発「捨てない体操服」
東京でも採用を検討

 子どもたちが着古した体操服が、捨てられることなく再び新たな体操服として生まれ変わり、また子どもたちが着る―。ありそうでなかったこのリサイクルプロジェクトは、2007年から京都市で企画・開発がスタートした。2010年より京都市内の小学校で実際に運用されたのを皮切りに着実に普及。5年を経た今、京都市内の小学校ではこの「捨てない体操服」がスタンダードになりつつあるという。

体操服!「いってらっしゃい、おかえりなさいプロジェクト®」を立ち上げた、写真家の岡部達平さん。今もプロジェクトの中心的存在として飛び回っている

体操服!「いってらっしゃい、おかえりなさいプロジェクト®」を立ち上げた、写真家の岡部達平さん。今もプロジェクトの中心的存在として飛び回っている

 そしてこの活動、『永遠に捨てない服が着たい』(今関信子著/汐文社)として出版されるなど、メディアでも多数取り上げられ、全国に浸透。今や活動は京都を飛び越え、神戸、滋賀、そして東京でも取り入れる動きが出始めているという。

 こうした広まりについて、プロジェクトの創始者である写真家の岡部達平さんは、現状を冷静に捉えつつ、堅実に普及を進めていきたいと気を引き締める。

 「まだお話をいただいている段階ですが、東京でも関心を持ってくださっているようです。本当にありがたいことで、嬉しく思っています。京都市とは異なる事情や文化もあると思いますが、東京の子どもたちにも是非、捨てない体操服を着てもらいたいですね」

 

リサイクル素材を用い、再び着られる体操服に

帝人フロンティア株式会社が手がける「ECO CIRCLE®」を用いた体操服(上)。体操服のタグにも「ECO CIRCLE®」の文字が(下)。

帝人フロンティア株式会社が手がける「ECO CIRCLE®」を用いた体操服(上)。体操服のタグにも「ECO CIRCLE®」の文字が(下)。

 この『体操服!「いってらっしゃい、おかえりなさいプロジェクト®」』の仕組みは、大まかに説明すると以下の通りだ。

 まず、使い古された体操服は、各学校で先生に手渡され、リサイクル工場へと運ばれる。そこで体操服は粉砕され、粒状になり、化学処理により分解、新しい繊維として生まれ変わる。その生地が体操服の製造会社へと運ばれ、再び体操服として生まれ変わり、学校の提携する販売店へと搬入。そこで各家庭に購入され、再び子どもたちが着る体操服になる(詳細は右下図を参照)。

 この仕組みの大前提となるのが、体操服で用いられるリサイクル繊維だ。帝人フロンティア株式会社が推進している「ECO CIRCLE®」により、一連のリサイクル が可能になる。ただ、この仕組みそのものは企業ユニフォームや市販のアウトドアウエアなど、我々の身近でもすでに使用されている。

 体操服は一般的に、耐久性と身体の成長から2~3年で廃棄される。従来のポリエステル製であれば、焼却処分するしかなく、そのためには燃料代もかかり、CO2も排出される。このような処理が、全国の学校の子どもたちの体操服に対し、日々行われるわけだから、とんでもない量の環境負荷がかかっていることがわかるはずだ。

 

2人の小学生の声からプロジェクトは動き始めた

体操服!「いってらっしゃい、おかえりなさいプロジェクト®」のリサイクルのイメージ図

体操服!「いってらっしゃい、おかえりなさいプロジェクト®」のリサイクルのイメージ図

 これまで当たり前のように廃棄されていた体操服の「改革」に取り組むきっかけとなったのは、2人の小学生の女の子からの岡部さんに対する極めて素朴な問いかけだった。

 「2人の言葉は、子ども達にエコを教えるぞ、と意気込んでいた私の胸にも突き刺さりました」

 ある京都市内の小学校に、岡部さんがリサイクルに関する出張授業に出かけた際のこと。

 授業終了後、2人の女の子から「先生自身は環境に対してどんな取り組みをしているの?」と問われた。リサイクルできる衣服を着用していることを説明すると、女の子たちから「私たちも永遠に捨てない服が着たい、でも好きな服はなかなか買って貰えないから大人になったら買います!」と言われたのだそう。岡部さんが「今の子どもは環境意識が高いなー」と感心していたところ、「大人になるまで地球は待ってくれる?」と心配そうに聞かれ、大人になるまで待たせてはいけない、と心に誓ったという。

 「彼女たちが今から取り組めるリサイクルはないかと考え、日々着用する体操服に着目したんです」

 2007年。この偶然の出来事から、岡部さんは動き出した。そしてその後、偶然は重なり、帝人フロンティアへとつながって、実際に学校での取り組みへと続いていくのだが……その具体的な展開は次号で。

 

 

 

 

タグ:帝人フロンティア(株) 岡部達平氏 旭化成アドバンス(株)

 

 

 

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