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【特集】平成27年度の主な水道局事業2015年05月20日号

 
「東京水道経営プラン2013」最終年度

 水道局ではこれまで、都民生活と首都東京の機能を支えるため、効率経営に努めながら、安全でおいしい水の安定供給に取り組んできた。平成27年度は、東京水道経営プラン2013の最終年度として、プランに掲げた目標の確実な達成を目指し、各種施策を推進していく。また、引き続き効率的な経営に努め、強固な財政基盤を確立しながら、大規模浄水場を含めた施設全体の更新を計画的に行っていくことで2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催期間中も含め、将来にわたり安全でおいしい水の安定供給を実現し、「世界一の都市・東京」を支えるとともに、お客さまに喜ばれる水道を目指していく。

安定給水

 渇水時にも可能な限り給水を継続できるよう、引き続き水源の確保に取り組むとともに、平成30年代から集中的に大規模浄水場の更新時期を迎えることから、安定給水を確保しながら着実に施設更新を実施していくため、先行して代替浄水施設の整備を進めていく。

主な導水管・送水管整備イメージ

主な導水管・送水管整備イメージ

 また、震災時や事故時などで個別の施設が停止しても可能な限り給水できるよう、バックアップ機能を確保するため導水管の二重化を実施するとともに、送水管のネットワーク化を進めていく。

 さらに、給水所の地域的な偏在や配水池容量等の不足を解消し、給水安定性の向上を図るため、給水所の新設・整備を実施する。

 

震災対策

 ハード面の取組として、東日本大震災の教訓や首都直下地震等の被害想定を踏まえ、水道施設の被害を最小限にとどめ、給水を可能な限り確保するため、配水池等の耐震化を進める。

 また、平成25年度から水道管路の耐震継手化10ヵ年事業を実施しており、34年度までに管路の耐震継手率を54パーセントまで引き上げることを目標に整備していく。

消火栓を活用した応急給水(イメージ)

消火栓を活用した応急給水(イメージ)

 なお、昨年4月、東京都が発表した「首都直下地震等対処要領」において、警察、消防、自衛隊などの救出活動が円滑に展開されるよう、都立公園や清掃工場等が大規模救出救助活動拠点に指定されたことを受け、これまでの首都中枢機関や医療機関などに加え、これら活動拠点への供給ルートの水道管路についても優先的に耐震継手化を進めていく。

 27年度は、配水管の耐震強化等で343キロメートルの取替を予定している。

 給水管についても、私道内の給水管を整理し配水管を布設して、耐震化を図る私道内給水管整備事業として、27年度は64キロメートルの整備を進めていくとともに、避難所等における給水管の耐震強化を824か所で実施していく。

 ソフト面の取り組みとしては、消火栓等を活用した応急給水の取組として、希望する区市町に対し応急給水用資器材を25年度から27年度の3か年で2600セット貸与することを予定している。27年度は1100セットを貸与する予定である。

 

安全でおいしい水

 平成25年度に利根川水系高度浄水100%を達成するなど、これまで安全でおいしい水に関する様々な取組を行ってきたが、安全でおいしい飲み水としての視点に加え、くらしを支える東京水として、社会・生活面などにおける水道水の良さを多くの方に実感してもらうため、平成26年6月から東京タップウォータープロジェクトを始動した。当プロジェクトは、安全でおいしい水を「つくり・届ける」、東京水道の良さを「伝える・伝わる」の2つを柱とする。

東京タップウォータープロジェクトのキックオフイベント
東京タップウォータープロジェクトのキックオフイベント

 「つくり・届ける」については、水源から蛇口に至るまでの総合的な施策を推進し、貯水槽水道の適正管理に向けた点検調査を実施するとともに、パンフレットなどを活用した直結給水方式への切替え促進や、直結給水へ切替える際に水道管を太くする必要がある場合、その工事を水道局で施工する取組を引き続き推進していく。

 また、「伝える・伝わる」については、従来からのPR施策に加え、体験・体感型の施策を推進し、水道水質モニター制度や水道キャラバンなどにより水道水の良さをアピールしていく。

 

広域的事業運営

 広域水道としてのメリットをさらに発揮するために策定した「多摩水道改革計画2013」に基づき、施設更新時における代替機能や震災時等におけるバックアップ機能を確保するため、市町域を越えた管網の整備など、送配水施設の整備を着実に進める。

 また、老朽化が進行し、配水池容量が不足している小規模施設から優先的に更新や整備を行い、給水安定性の向上を図っていく。

 

エネルギー・環境対策

太陽光発電設備(楢原給水所)
太陽光発電設備(楢原給水所)

 平成26年12月に公表された「東京都長期ビジョン」において、都有施設の太陽光発電を32年までに現在の1万kWから、倍以上の2万2000kWまで拡大することとしているが、水道局では今後5年間でその約4割に相当する8000kWの太陽光発電の整備を目指していく。27年度は朝霞浄水場と八王子市にある鑓水小山給水所への設置工事が完了する予定である。

 また、コージェネレーションシステムについても、長期ビジョンでは36年までに都内全域で60万kW導入を目標としているが、既に導入済みの4箇所の浄水場に加え、三郷浄水場へ導入することにより、36年には約1割に当たる約5万4000kWの整備を完了する。27年度は三郷浄水場への導入に向け、調査・設計を実施していく。

 こうした取組を含め、エネルギー効率の高い水道システムへの転換を目的として策定した「東京水道エネルギー効率化10年プラン」に基づき、エネルギー対策に取り組んでいく。

 

お客さまとのコミュニケーション

水道キャラバン 現場見学会
現場見学会

 お客さまに水道事業全体に対する信頼や親しみを深めていただくため、水道工事現場における見学会の実施や広報看板の設置など、水道工事を活用したイメージアップに取り組んでいく。

 また、広報・広聴施策として、電車内での映像広報など様々な媒体を活用し、親しみやすくわかりやすい広報を実施するほか、小学生を対象とした訪問授業やファミリー層が集まる地域イベント等で水道キャラバンを実施していく。

 27年度は学校で1200校、地域で150回の実施を予定している。

 

国際展開

 各国の水問題の解決に寄与するため、途上国をはじめとする海外からの研修生の受入れや国際会議への参画などを通じて国際貢献に取り組むとともに、これまで培ってきた技術とノウハウを活用して、海外水道事業体への技術協力を進めていく。

 また、国内外の関係者と連携を図りながら、無収水対策プロジェクト等の事業展開を行っていく。

 

経営基盤の強化

 基幹的業務を水道局と監理団体が担う事業運営体制のもと、27年度は、営業所の業務移転などにより計70人の職員定数を削減するとともに、監理団体が担う責任が一層大きくなる中、効率的な事業運営と公平性・透明性を確保するための取組を引き続き推進する。

 また、大規模浄水場の更新に向けた代替浄水施設整備の財源として、引き続き大規模浄水場更新積立金について50億円の積立てを実施するとともに、代替浄水施設の整備にあたって積立金を財源として活用していく。

 

まとめ

 水道局ではこれまで、都民生活と首都東京の機能を支えるため、効率経営に努めながら、安全でおいしい水の安定供給に取り組んできた。平成27年度は、東京水道経営プラン2013の最終年度として、プランに掲げた目標の確実な 達成を目指し、各種施策を推進していく。

 また、引き続き効率的な経営に努め、強固な財政基盤を確立しながら、大規模浄水場を含めた施設全体の更新を計画的に行っていくことで2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催期間中も含め、将来にわたり安全でおいしい水の安定供給を実現し、「世界一の都市・東京」を支えるとともに、お客さまに喜ばれる水道を目指していく。

 

 

 

 

タグ:東京都水道局 東京水道経営プラン2013 東京都長期ビジョン 東京水道エネルギー効率化10年プラン

 

 

 

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