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局長に聞く88 青少年・治安対策本部長2016年03月20日号

 
地域の力で治安を向上

青少年・治安対策本部長 廣田耕一氏

青少年・治安対策本部長 廣田耕一氏

 東京都の各局が行う事業を局長自ら紹介する「局長に聞く」。88回目の今回は青少年・治安対策本部長の廣田耕一氏。都内治安の現状、規範意識の向上、自転車の安全対策などについて意欲的に語っていただいた。

(聞き手/平田 邦彦)

テロ対策で関係機関と連携

—昨年の7月に就任とのことですが。

 半年あまり経ちましたが、都庁勤務ははじめてなものですから、国とは違う仕事の進め方、議会との関係などで当初は少し戸惑いましたが、漸く慣れてきたところです。

 昨年、我々は「安全安心TOKYO戦略」をまとめました。今後10年間に亘る方向性を示したのですが、規範意識の向上、地域の力の強化、分担と連携の強化が3つの柱とされており、来年度はこれらの柱を基にした施策を展開していきます。

—2020年に向けた取り組みが重要です。

 昨年の全国の刑法犯の認知件数を見ると、戦後最少の14万件台です。都内も減少傾向にありますが、その一方で都民の皆さんの犯罪に対する漠然とした不安、いわゆる「体感治安」についてはまだまだ改善されていません。

 これには様々な要因があると思うのです。犯罪の手口の巧妙化、サイバー犯罪など新しい犯罪の登場があります。さらに高齢化が進んでいることも要因に挙げられると思います。高齢者はどうしても犯罪に対して脆弱だということがあります。

 また、高齢化と表裏一体の少子化ということで、子供が事故や事件に巻き込まれることに対する、保護者をはじめとする社会の関心の高さもありますから、事件があれば大きく報道されます。

 さらに国際的にはテロが頻発し、日本もテロに巻き込まれるのではないかという不安が広がっています。今年は伊勢志摩サミットが開催されますし、2019年にはラグビーワールドカップ、翌年にはオリンピック・パラリンピック大会が開催されます。ある意味、テロのターゲットになる可能性もあります。我々は警視庁をはじめ関係機関と連携し、特殊詐欺の撲滅、交通事故の減少を目指すとともに、こうした治安に対する不安感の解消も目指さなくてはなりません。

 それには都民に対して適切なタイミングで情報を発信して共有することも大変重要です。これまで効果的な情報発信のあり方について研究を重ねており、来年度は防犯ボランティア応援サイト「大東京防犯ネットワーク」を再構築することとなっています。

—治安に関する啓蒙活動などは行っているのでしょうか。

 平成14年、15年頃に全国的に刑法犯の認知件数が非常に増えたことを踏まえて、国をあげて安全なまちづくりがスタートしましたが、その中には今で言う「自助」や「共助」という考えが含まれています。治安対策すべてを警察まかせにするのではなく、地域の人々も参加してまちづくりを行う考えです。これをさらに活性化して大きな流れにしたいと思います。防犯活動を担う地域の方々の高齢化が問題になっていますが、若い方々や事業者などを巻き込み、みんなで見守るという意識を高めていきます。

 

自転車の安全利用で新制度

—地域の力を強めるための施策はあるのでしょうか。

 今までも防犯団体の活動に対する補助や支援は行っています。今後さらに、地域の防犯活動を担うリーダーの育成のための研修、大学生をはじめとする若者を防犯活動に組み入れる事業も展開していきます。

 また、新たに地域の中で地道に防犯活動を続けておられる方や団体に対して、都として表彰する制度を立ち上げます。昨年からはじめた「ながら見守り連携事業」は、地域の方々が本来の事業を行いながら、高齢者や子供の見守り活動をお手伝いするというもので、昨年7月には日本郵政の東京支社、東京都信用金庫協会、12月にはセブン—イレブン・ジャパンと協定を締結しました。地域の力を高めることが全体の守備力の強化につながると思います。

—マナーに関する取り組みは。

 一般の事件事故だけでなく、街中の落書きや夜中に公園で騒ぐなどの行為が、体感治安にも影響します。究極的には、安全安心の確保も、住みよい街、暮らしやすい街づくりの中に位置づけられると思います。

 そういった意味で、規範意識の向上のため、「こころの東京革命」を東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、さらに展開していきたいと考えています。

—自転車政策はいかがでしょう。

自転車安全利用宣言証

自転車安全利用宣言証

 今年は第10次交通安全計画を策定する年です。これに合わせて自転車安全利用推進計画も改定することにしています。交通事故に関する都民の関心は依然として高く、世界一の都市・東京実現のためには、重大事故をさらに減らしていく必要があります。そのためには高齢歩行者や自転車対策に力を入れて事故を減らそうと考えています。自転車の安全対策としては、「自転車安全利用指導員制度」等を新たに設置し、ルールとマナーの徹底やヘルメットの着用も進めようと思っています。昨年6月からは自転車安全利用宣言証を発行し、セミナー等の参加者に配布しています。自治体や事業者とも連携して安全意識の高揚を図っていきます。

 

 

 

 

タグ:青少年・治安対策本部長 安全安心TOKYO前略 伊勢志摩サミット テロ対策 自転車安全利用推進計画

 

 

 

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