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伸ばせ!健康寿命 第2回2016年02月20日号
早歩きをしよう!
健康のために運動、特にウォーキングをしている方は多いことと思います。でもせっかくやるなら、いろいろな効果を得たいものです。そこで今月は、転倒予防に役立つウォーキングのやり方をご紹介します。
少子高齢化が進む昨今、寝たきりにならないこと、つまり健康寿命延伸はますます重要になってきています。寝たきりになる主な原因のひとつは骨折・転倒です。転倒はまた労働災害でも大きな問題で、厚生労働省は昨年「STOP転倒災害プロジェクト2015」を行ったくらいです。
転倒の原因には、床の段差やスリップ、整理整頓ができていないなどがあるものの、もちろん身体能力が大きく影響しています。転倒のメカニズムを考えると、転ぶか転ばないかは、躓いた時に、次の一歩を素早く踏み出せるかどうかにかかっています。事実、転倒経験のある高齢者は、そうでない人たちより筋肉を素早く収縮できないことがわかっています。
私たちは、スポーツクラブに通っている人と一般の方々の歩く速さを測って比べ、スポーツクラブ会員は歩くのが速く、それは足を素早く動かせるからだということを明らかにしました。スポーツクラブでは、高齢の会員も若い人と一緒にエアロビクスなど動きの速いエクササイズを続けていることで、足を素早く動かせるようになっていると考えられます。
ところで、ウォーキングなど中高年のエクササイズは、主に安全面からマイペースが良いと言われます。
でも、マイペースで歩くだけでは普通素早くは動きません。そうすると、せっかく運動しても筋肉を素早く動かせなくなっていきます。これはもったいないことです。せっかく運動するなら、ぜひこの能力も刺激しましょう。
最も手軽にできるのは早歩きです。短い距離で良いので、できるだけ速く歩いてみましょう。ただし必ず滑りにくい平らな所で行ってください。まずは1日10歩からできるだけ速く歩いてみてはいかがでしょうか?
後藤 真二(ごとう しんじ)
スポーツクラブNAS株式会社 スポーツ健康医科学研究室 室長
大学教員を経て2008年より現職。「ココロ、ウゴカセ」の経営理念に基づき、単なる運動の場ではない、子供から高齢者まで誰もが楽しんでいるうちに健康になれるクラブづくりを目指して、安全かつ効果的で楽しいプログラムづくり、および健康セミナーや情報誌等での情報発信を担当している。教育学博士、健康運動指導士、ホームヘルパー2級。
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