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局長に聞く97 主税局長2016年12月20日号

 
「都民目線」の税務行政を展開

主税局長 目黒克昭氏氏

主税局長 目黒克昭氏

 東京都の各局が行う事業を局長自ら紹介する「局長に聞く」。97回目の今回は主税局長の目黒克昭氏。主税局は固定資産税、法人事業税など各種税金を課税・徴収する一方、税制を通じて東京都の施策を後押しする役割も担っている。今後の取り組みなどについて伺った。

(聞き手/平田 邦彦)

都税収入確保が最大の使命

—4年ぶりに主税局へ戻ってきた感想は。

 都政人としてのキャリアの半分ぐらいを過ごした馴染みのある局なので、率直にうれしいです。管理職の大半は顔なじみなので、仕事はやりやすいですね。それだけに注意力が散漫になる、思い込みが強すぎるという危険とも隣り合わせとも言えるので、初心を忘れず緊張感を持って取り組まなければと、自分に言い聞かせています。

 ただ、久々に戻って、ベテラン職員の枯渇化がますます進んでいるという印象を受けました。今の主税局は、20代と40代に年齢構成の山があり、税務経験豊富な50代職員が極端に少ないといういびつな構造です。今後の税務知識や税務ノウハウの継承を危惧しています。

—「税務の達人プロジェクト」を推進していますがその内容は。

 ベテラン職員が急減しているといっても、まだまだ東京都には相対的に高い税務ノウハウの蓄積があります。これを東京と地方の共存共栄を図る観点から、全国自治体職員に広く伝授しようとする取り組みです。

 全国自治体からの税務職員の受け入れや、主税局職員を講師として派遣することがその主な柱となります。徴収部門だけでなく、法人調査部門、資産評価部門といった分野の職員も対象に、今年度は12自治体から13名の職員を受け入れています。派遣元の自治体からの評価は非常に高いですね。

 また、栃木県、和歌山県、神戸市等に職員を派遣しています。

—現時点における主税局の主要課題は。

 都政の様々な施策を支える都税を確保することが当局の最大の使命であり、そのためにも、その見通しをしっかりたてる必要があります。28年度の都税収入は、7年ぶりに5兆円台を上回り4年連続の増収となった平成27年度決算とほぼ同水準の5兆2千億円程度と見込んでいます。

 ただし、本年1月以降の円高・株安の影響や、中国など新興国の景気減速、英国のEU離脱問題など、海外経済の不確実性の高まりなどもあり、予断を許さない状況だと危機感を持っています。

—消費税率の引上げ再延期への対応とその受け止めは。

 先般、消費税率の8%から10%への引上げ時期を平成29年4月から平成31年10月に2年半再延期するための法案が可決されました。少子高齢化に適切に対応していく上で、消費税率の引上げは避けて通れないものです。税率引上げが先送りされたことは、国にとっても地方にとっても不幸なことではないでしょうか。

 税率引上げ分は、社会保障の充実強化に充てられることになっていますが、不交付団体である東京都にとっては、社会保障に必要な財源を自主財源から捻出しなければならず、増税再延期により、財源の見通しが立たなくなってしまいます。

 

環境の視点を据えた都税調答申

—今後の政策支援税制についての考えは。

 都税収入を確保することを通じて各局の事務事業を支えることが主税局の1丁目1番地ですが、一方で都の施策を効果的に推進するために、税制面から支援していくことも重要な役割です。

 これまでも、「耐震化促進税制」、「不燃化特区支援税制」、「認証保育所に対する固定資産税等の減免」、「中小企業者向け省エネ促進税制」などを実施してきました。政策支援税制は、合理性、有効性、相当性の観点から慎重な検討も必要ですが、今後も、まちづくり、福祉、環境などの分野での税制の活用を望む声が、各方面から寄せられることも考えられます。

—東京都税制調査会の役割は何でしょう。

 都税調は、平成12年に設立された知事の諮問機関です。地方分権の時代にふさわしい地方税制のあり方、国・地方を通じた税制全体のあり方など、これまで、都のみならず地方全体の立場から様々な提言を行ってきました。

 都税調の提言は、都の主張の理論的裏付けとなるものであり、極めて重要なものです。今年度答申では、人口構造や社会経済の変化に耐えうる税制度について、幅広くかつ中長期的視点から提言を行っています。

 具体的には、総体としての地方税財源の拡充の必要性を訴えるとともに、将来世代の利益をも考慮して、税制の基軸の一つに「環境」を据えることの重要性を訴え、車体課税等の自動車関連税や地球温暖化対策税のあり方などについて具体的な提言を行っていることが大きな特徴です。

—職員に期待することがあれば。

 知事は「都民ファースト」ですが、主税局では昔から、「都民目線」、「納税者目線」に立った税務行政の必要性が叫ばれています。

 こうした精神が、例えば徴収部門においては、タイヤロックやミラーズロックの導入、インターネット公売の実施、コンビニ収納やクレジットカード収納などの納税チャンネルの拡大といった施策に活かされ、平成27年度には、98・5%という過去最高の徴収率達成という成果につながっています。

 当局にとって「現場感覚」は命であり、職員にはその感覚をますます研ぎ澄ましていくことを求めたいですね。

 

  
 

 

 

タグ:主税局長 消費税率の引き上げ 東京都税制調査会

 

 

 

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