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伸ばせ!健康寿命 第15回2017年03月20日号

 
伸ばせ!健康寿命
自分の“健康寿命”について、考えたことがありますか?長生きできても健康でいられなければ、いきいきとした時間を過ごすことはできません。そこで、健康とスポーツを科学的に研究し、健康運動指導士の資格をお持ちの後藤真二氏に、“誰でも” “今から” “簡単に”行える健康寿命を延ばすエクササイズを紹介していただきます。

 

膝を伸ばそう

 皆さん、膝はまっすぐに伸びますか? ヒトは本来、立った時に膝はまっすぐ伸び、足首の真上に膝と腰が位置し、ももの筋肉をあまり使わずに立ち続けられるようになっています。

 試しに膝をわずかに曲げて立ってみてください。膝をまっすぐ伸ばした時に比べて、ももの筋肉が使われていることがわかるでしょう。

 類人猿も二本足で立てますが、膝は伸びきらず通常は手も地面について移動します。これは膝が伸び切らない二足歩行が大変だからです。

 つまり、膝をまっすぐに伸ばせることは、楽に歩くためにはとても大切なことなのです。

 ところで、筋肉は縮んで体を動かします。でもそれは自分では伸びることができず、伸びるには引っ張ってもらわなければなりません。日頃、十分に伸ばされない筋肉は、だんだん伸びにくくなります。そうなると体を思い通りに動かせなくなってしまいます。

 ももの裏の筋肉が伸びにくくなると、まっすぐ立っているつもりでも膝が伸び切らなくなります。これは高齢者が膝や背中が曲がった状態になる原因の一つと考えられます。そうなると立ったり歩いたりするのが大変になり、見た目も若々しくなくなります。

 日頃からしっかりとももの裏側にある筋肉群をストレッチングして、膝が十分伸びるようにしておきましょう。

 今回は椅子に座って行う膝の伸ばし方をご紹介します。椅子に浅く、特に伸ばす側は、椅子にお尻だけを乗せる感じで座ります。両方そうすると不安定になるので、反対側はももの裏もしっかりと椅子に乗せてください。

 伸ばす脚のつま先を天井に向け、膝に手を置いて体重をかけて膝をしっかりと伸ばします。この時、脚からはできるだけ力を抜きましょう。痛みがなく気持ちよく伸ばせる範囲で行うことが大切です。もし痛みなどがあれば、一度整形外科を受診しましょう。

 20秒から30秒伸ばしたら、そのままの姿勢で脚にできるだけ強く力を入れて10秒間ほど膝を伸ばします。うまく力を入れられると、膝のお皿が持ち上がり、ももの筋肉が硬くなります。

 力を抜いたら、もう一度20秒から30秒膝をしっかりと伸ばします。反対側も同様に行ってください。

 ぜひ毎日数回、ウォーキングの前や疲れた時のクーリングダウンなどにやってみてください。

 


後藤信二氏

後藤 真二(ごとう しんじ)
スポーツクラブNAS株式会社 スポーツ健康医科学研究室 室長

 大学教員を経て2008年より現職。「ココロ、ウゴカセ」の経営理念に基づき、単なる運動の場ではない、子供から高齢者まで誰もが楽しんでいるうちに健康になれるクラブづくりを目指して、安全かつ効果的で楽しいプログラムづくり、および健康セミナーや情報誌等での情報発信を担当している。教育学博士、健康運動指導士、ホームヘルパー2級。

 

 

 

 

タグ:健康 運動 体操

 

 

 

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