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東京都の監理団体 第3回2017年03月20日号

 
都立の公園、庭園、霊園を管理 防災拠点の管理や霊園業務など多様な役割を担う
公益財団法人東京都公園協会

左が同協会公園事業部の中沢恵美子防災担当課長、中は山口浩平防災公園・区部西ブロック所長。右が大篠則子霊園課長

公益財団法人東京都公園協会

 東京の暮らしを公的に支えるのは、都庁や市区町村自治体だけではない。東京都監理団体を中心に、ビジネス、環境、医療、福祉、スポーツなど、多くの公共団体が縁の下の力持ちとして支援している。第3回目は、都民の生活に身近な都の公園の管理を担う、公益財団法人東京都公園協会。なかでも近年注目されている2つの役割を紹介する。

(取材/種藤 潤)

41の都立公園を含む
64施設の運営管理を行う

 都民生活にゆとりとやすらぎをもたらし、発災時には避難場所になるなど、重要な役割を果たす公園。特に複数の区市町にまたがる公園、広域的な利用を図る公園、特殊な機能を果たす公園などは都立公園に位置付けられている。今回取材した東京都公園協会は、41の都立公園を運営管理するほか、都立の9庭園、8霊園、その他6施設の運営管理を担う。

 その事業の幅は非常に広く、職員も約700人体制(2017年3月現在)と大所帯だ。

 事業は大きく分けて「公益目的事業」と「収益事業」のふたつ。「公益目的事業」のなかには(1)指定管理者としての都立公園などの運営管理事業とともに、公園で活動するボランティアの支援や、公園に関わる調査研究など、指定管理事業以外の公益目的事業(2)出捐金及び寄付金を積み立て、その運用益を民有地緑化の推進に充てる事業(3)水辺環境に関する普及啓発、利用促進などを行う事業、が含まれる。「収益事業」には、(1)公園等の売店や駐車場などの運営(2)未利用の河川地域を活用した駐車場の運営、が含まれる。

 戦後復興のなかでの公園緑地の強化を目指し、1948年に任意団体として発足。1954年に財団法人化し、以後、都の財政支出団体に指定され、都立公園の管理を受託するようになった。2006年からは指定管理者制度の導入に伴い指定管理者となり、2010年には公益財団法人化。組織改変や受託施設の変遷を経て、今日に至る。

 

災害時に防災拠点となる『防災公園』の機能強化に注力

葛西臨海公園でのヘリコプター離発着訓練

代々木公園をはじめとする「防災公園グループ」の公園は、災害時には大規模救出救助活動拠点として救援部隊などを受け入れ、一方で避難場所としての機能も果たす。写真は葛西臨海公園でのヘリコプター離発着訓練

 「指定管理者制度の導入により、運営管理の質の向上が一層求められるようになりました。そのために公園では様々な取り組みを行っていますが、特に近年は『防災公園』としての管理に力を入れています」

 代々木公園を拠点に『防災公園・区部西ブロック』の管理運営を担当する、山口浩平ブロック所長は語る。

 現在、都立公園のうち21公園が『防災公園グループ』に指定され、大災害の際には、自衛隊をはじめとする救出・救助部隊のヘリポートやベースキャンプなどの活動スペースとして運用される。そのため、自衛隊や警察、消防などと連携し、大災害を想定したヘリポート運用訓練なども、同協会では行っている。

代々木公園での防災訓練の様子

代々木公園での防災訓練の様子

 「1995年の阪神・淡路大震災の際、自衛隊などが活動できる広域スペースの確保の難しさが課題となり、都でも公園における防災機能の強化に向けた整備が進められています」

 さらに都立公園は、災害時の避難場所の機能も果たす。災害時にはかまどとしても使える「かまどベンチ」や、上下水が寸断されても使用できる「防災トイレ」など、防災面での施設も充実しており、地域住民と連携した防災訓練の企画・運営も同協会が行っている。

 中沢恵美子防災担当課長は、以下の点を強調する。

 「発災直後、都民の命を守る避難場所機能と、救出・救助活動の拠点機能の両方を果たせるよう、職員の能力を高め、都や関係機関、自治体、近隣住民の皆さんとの連携を強化していくことが、我々公園協会の役割だと認識しています」

 

公園の役割も担う都立霊園 新しい埋蔵方式にも積極的

「立体埋蔵施設」(上)や「樹林型合葬埋蔵施設」(下)

「立体埋蔵施設」(上)や「樹林型合葬埋蔵施設」(下)など、多様な埋蔵の種類があるのも、都立霊園の特徴だ

 『防災公園』と並び力を入れているのが、霊園事業だ。現在同協会が管理運営するのは、雑司ケ谷、青山、谷中、染井、八柱、多磨、八王子、小平の8霊園である。

 都立霊園は、全国に先駆けた公設共葬墓地として、1874年に青山、雑司ケ谷、谷中、染井が開設。その後、都の人口増加にあわせ、多磨、八柱、小平、八王子が加わった。その霊園の環境整備に加え、使用希望者の募集、抽選等の窓口も同協会が担っている(現在は雑司ケ谷、染井を除く6霊園で募集)。

 都立霊園の特徴のひとつに、多様な墓地形態がある。一般的な「一般埋蔵施設」に加え、芝生に等間隔に埋蔵する「芝生埋蔵施設」、壁面状の墓碑を持つ「壁型埋蔵施設」、ひとつの墓に複数の遺骨を共同埋蔵する「合葬埋蔵施設」、個別埋蔵ののちに共同埋蔵に移行する「立体埋蔵施設」、近年は、落葉樹のもとで共同埋蔵する「樹林型合葬埋蔵施設」など、先進的な手法も採用している。

 数ある選択肢の中から、都民のニーズを聞き出し、理想に近い埋蔵方法を考案していくのも同協会の重要な役割だと、大篠則子霊園課長は語る。

 「都民と言っても、生活する場所や家族形態などで、望まれる埋葬方法は異なります。特に近年は生活の多様化が進み、ニーズはより幅広くなっています。また、最近は『終活』ブームにより、生前申し込みを希望する方も多い。そのような望みに丁寧に耳を傾けることが、私たちの仕事では大切です。また、近年は親族のいない方も増えていますから、“お墓を守る”役割の重要度も増していると感じます」

 一方で、“お墓を守る”方が足を運びやすくすることも大切だと、大篠課長は言う。

 「都立霊園は『公園墓地』として、公園の役割も果たします。親族の方をはじめ、地域の方々も気持ち良く過ごしていただける場所にするべく、花だんを整備したり、お参りしやすいように、道具のレンタルなども行います」

 「防災」「霊園」だけでもこれだけの業務が行われている。そのおかげで我々都民は快適に都立公園などを利用できているのだ。その陰には同協会の存在があることを、心に留めておきたい。

 

 

 

 

タグ:公益財団法人東京都公園協会

 

 

 

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