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大庭麗のイタリア食材紀行 第1回2014年06月20日号

 
大庭麗のイタリア食材紀行

 

第1回 焦げた小麦粉 “グラノアルソ”

グラノアルソで作った「オレキエッテ」。その名は“小さな耳”を意味する

 イタリアの焦げた小麦粉って知っていますか?―料理人の知人からの質問に、偶然思い出した南イタリア・プーリア州の伝統的な小麦粉。連載第1回目は、この焦げた小麦粉“グラノアルソ”についてお話ししてみたいと思います。

 毎年約1万人の日本人の料理人がイタリアに修行に行くそうで、かく言う私も4年半ほど現地で料理修行をしていました。ある日厨房で「イタリア人は灰を食べるの?」と驚いた、灰色の粉、それこそが「グラノアルソ」(“焦げた小麦”の意)と呼ばれる小麦粉でした。

 歴史的に特に貧しかった南部では、収穫後の畑に残った作物を人々が分かち合う習慣があり、野焼きをした畑では焦げた小麦を拾い集め、石臼や乳鉢で砕き粉にしてパンやパスタを作っていました。しかしこの焦げた小麦はグルテンが少なく、そのため集めたその粉1㎏と一握りの小麦粉とを農家で物々交換していました。焦げた小麦と言うとなんとなく苦そうですが、実際はとても香ばしいその風味に、当時の農民たちも好んで食していたようです。

 飽食の今、畑に焦げた小麦を拾いに行く習慣も消え去り、現地でも廃れかけていたグラノアルソですが、近年再び新しい世代のシェフたちが珍しい食材として着目しています。しかし焼畑が禁止になったことや、焦げた小麦に発ガン性が危惧されることなどから、オーブンで小麦を焼いて風味を再現した茶色い粉が、現代のグラノアルソとして主流となっています。今回は日本に輸入されているこの粉を使ってプーリア州の伝統的な生パスタ“オレキエッテ”を作りました。

 


大庭麗

<大庭麗(おおばうらら)プロフィール>

 東京都生まれ。2001年渡伊。I.C.I.F(外国人の料理人のためのイタリア料理研修機関)にてディプロマ取得。イタリア北部、南部のミシュラン1つ星リストランテ、イタリア中部のミシュラン2つ星リストランテにて修業。05年帰国。06年より吉祥寺にて『イル・クッキアイオ イタリア料理教室』を主宰。イタリア伝統料理を中心に、イタリアらしい現地の味を忠実に再現した料理を提案し、好評を博している。

 

  
 

 

 

タグ:大庭麗 イタリア料理

 

 

 

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