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大庭麗のイタリア食材紀行 第6回2014年11月20日号

 
大庭麗のイタリア食材紀行

 

 

第6回 地中海地方で古くから愛されてきたケッパーの魅力

 

古代ギリシャやローマでは薬品としても使用されていたケッパー。ポリフェノールを多く含み、加工しても栄養成分が変わらないのも魅力のひとつ

 本紙前号でもお話しした、古い城壁に原生するカッペリ(ケッパー)について、イタリアの友人に話すと、相変わらず不思議なことに興味を持つのね、と言わんばかりの反応ののち、“原生するケッパーは古くからアリが種を運ぶと言われていたり、鳥のフンによって種が運ばれると言われ、特に鳥の消化器官を通過することで発芽が促進され、その種が成木にまで育つと言われてきたそうよ”と、またまた興味深い話をしてくれました。どうやらイタリアの友人たちは、私が古くから伝わる話を聞くのが好きなことを熟知しており、しばしば彼らの家族やその地域に伝わる言い伝えを教えてくれるのです。

 5月から8月、ケッパーは開花シーズンを迎え、早朝の4時から5時の日差しを避けた時間帯にのみ、小さなつぼみをすべて手摘みで収穫します。生のケッパーは苦味や渋みが強いので、そのままでは食べられず、数時間の陰干しを経て塩蔵されます。はじめの10日間は、毎日こまめに全体をかき混ぜ、そのあとの3週間は、週に1回のペースでゆっくりと熟成させることで乳酸成分などが形成されるとともに、余計な苦味や雑味が消えます。そしてさらに2カ月休ませて完成となります。

 その後、酢漬けやオイル漬けなどに加工される場合もありますが、ケッパーの素晴らしいところは、どのように加工されてもその栄養成分に変化がないこと。血管強化作用や抗酸化作用を持つルチンなどのポリフェノールを多く含み、古代ギリシャやローマでは薬品として親しまれていました。

 抗菌性や抗炎症作用のほか、関節炎や歯痛に効く鎮痛作用、利尿作用がその主な効果で、消化を助ける作用もあることから、赤ワインにケッパーを漬け込んだケッパーワインが食前酒や食後酒として飲まれてきたという伝統があります。

 


大庭麗

<大庭麗(おおばうらら)プロフィール>

 東京都生まれ。2001年渡伊。I.C.I.F(外国人の料理人のためのイタリア料理研修機関)にてディプロマ取得。イタリア北部、南部のミシュラン1つ星リストランテ、イタリア中部のミシュラン2つ星リストランテにて修業。05年帰国。06年より吉祥寺にて『イル・クッキアイオ イタリア料理教室』を主宰。イタリア伝統料理を中心に、イタリアらしい現地の味を忠実に再現した料理を提案し、好評を博している。

 

  
 

 

 

タグ:大庭麗 イタリア食材 ケッパー

 

 

 

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