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大庭麗のイタリア食材紀行 第29回2016年10月20日号

 
大庭麗のイタリア食材紀行

 

第29回 魅惑の香り漂う北イタリア・アルバ産の白トリュフ

 

 一皿に、わずか数グラムを薄くすりおろすだけで、まさに人々を魅了する白トリュフ。松や楢(なら)、樺(かば)、樫、ヘーゼルナッツなどの限られた品種の木の根元に生息し、これらの木の細い根の先と共生しながら土の中で育つキノコの仲間で、野ネズミやリスなどの小動物、昆虫、雨などによって媒介、繁殖します。

黒トリュフ

栽培が可能な黒トリュフに対し、白トリュフはイタリア北部と中部、イーストラ半島にのみで生育する天然物のみの貴重品

 若干平たい球状で、淡い黄土色に灰色の陰影がある小石のような形状をした白トリュフは、黒トリュフの約3倍から10倍の値段で取り引きされ、ピエモンテ州のアルバ産が最高級品です。その大きさはウズラの卵大から、往々にして、りんご大くらい。過去には1.5㎏のものがトリュフオークションで2500万円で競り落とされたこともあります。

 白トリュフの歴史は古く、ギリシャ神話では、主神ゼウスの落とした雷が聖なる木(オーク)に実を授けたと書物に記されています。また、紀元1世紀、古代ギリシャの哲学者プルタルコスが、トリュフは水と熱、雷からの産物であると語ったように、落雷による高電圧で亜硝酸塩が地中に増え、その場所にトリュフが増えることが現在では検証されています。

 中世には当時の科学者たちが、人々を恍惚状態にするその香りを、ある種のクインテッセンス(宇宙論)であると比喩するほどに、貴族や多くの美食家たちを虜にしてきた食材でもあります。

 イタリアには国立のトリュフ研究所があり、長年さまざまな研究が続けられています。その品質を視覚、嗅覚、触覚で判断する判定家が存在し、ワイングラスにトリュフを入れて、その香りを評価します。トリュフには干し草、蜂蜜、にんにく、キノコ、若干の発酵香、スパイス、濡れた大地の香りなどを特徴とした、バリエーションに富んだ強い香りが求められます。

 秋の数カ月をシーズンとし、半熟の目玉焼き、卵黄をたっぷり使った手打ちの細打ちパスタと合わせるのが代表的な味わい方です。

 


大庭麗

<大庭 麗(おおば うらら)プロフィール>

 東京都生まれ。2001年渡伊。I.C.I.F(外国人の料理人のためのイタリア料理研修機関)にてディプロマ取得。イタリア北部、南部のミシュラン1つ星リストランテ、イタリア中部のミシュラン2つ星リストランテにて修業。05年帰国。06年より吉祥寺にて『イル・クッキアイオ イタリア料理教室』を主宰。イタリア伝統料理を中心に、イタリアらしい現地の味を忠実に再現した料理を提案し、好評を博している。

 

  
 

 

 

タグ:大庭麗 白トリュフ 黒トリュフ ピエモンテ州アルバ産

 

 

 

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