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大庭麗のイタリア食材紀行 第32回2017年01月20日号

 
大庭麗のイタリア食材紀行

 

第32回 さまざまなお祝い事に配られる砂糖菓子“コンフェッティ”

 

 先日、イタリアの友人から、1700年代から続く老舗の有名なお菓子屋さんの“コンフェッティ”(ドラジェ)が届きました。イタリアでは、人生におけるさまざまなお祝い事の際にコンフェッティを配る習慣があります。

 そもそもコンフェッティは、アラブの地域において、薬の糖衣として使われたのがその起源と言われており、古代ローマ時代には、アニスシードやコリアンダーシードを練った蜂蜜と小麦でコーティングし、貴族たちの祝宴や結婚式の際に招待客に配られていました。

 その後、1200年代以降もアーモンドやドライフルーツの表面を凝縮した蜂蜜で覆って作られていましたが、1400年代にインドから砂糖がヨーロッパに普及したことにより、それまでの蜂蜜を用いた手法が廃れ、砂糖でコーティングしたコンフェッティが定着しました。

1200年代のヴェネツィアでは、貴族たちがバルコニーからカーニバルの祭りを祝う庶民にコンフェッティを投げる習慣もあった

 結婚式や洗礼など、お祝い事に使われるコンフェッティには、必ずと言っていいほどアーモンドが使われています。そもそも野生種や原種に近い種類のアーモンドは、アミグダリンと呼ばれる苦みの成分が若干含まれています。そのため、古くはそのアーモンドの苦みこそが、人生を象徴しているとされ、周りの砂糖のコーティングが苦い人生を甘くして、明るい将来を願った縁起担ぎであったと言われています。

 また、コンフェッティの色には、婚約には緑色、結婚は白、結婚5周年は濃いピンク、10周年は黄色、25周年は銀色、50周年には金色といったさまざまな意味があります。さらに、大学の卒業には赤いコンフェッティとともに、言語学は藤色、教育学はピンク、建築学は黒、法学は紺に文学は白などと、専攻によって配るコンフェッティの色に決まりがあります。

 以前、中部イタリアのコンフェッティで有名な地域を訪れた際、街中のどこの専門店にも、何十色ものコンフェッティが並ぶ光景を不思議に思った記憶がありましたが、多分それらのすべての色には意味合いと需要があり、さまざまなお祝い事に配られるのではないかと思います。

 


大庭麗

<大庭 麗(おおば うらら)プロフィール>

 東京都生まれ。2001年渡伊。I.C.I.F(外国人の料理人のためのイタリア料理研修機関)にてディプロマ取得。イタリア北部、南部のミシュラン1つ星リストランテ、イタリア中部のミシュラン2つ星リストランテにて修業。05年帰国。06年より吉祥寺にて『イル・クッキアイオ イタリア料理教室』を主宰。イタリア伝統料理を中心に、イタリアらしい現地の味を忠実に再現した料理を提案し、好評を博している。

 

 

 

 

タグ:大庭麗 コンフェッティ ドラジェ

 

 

 

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