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大庭麗のイタリア食材紀行 第34回2017年03月20日号

 
大庭麗のイタリア食材紀行

 

第34回 地中海沿岸原産のカルチョーフィ(前編)

 久しぶりに美味しいカルチョーフィ(アーティチョーク)を食べました。食用に用いられるカルチョーフィは、地中海沿岸が原産の朝鮮アザミの若い蕾(つぼみ)部分。その蕾が開花すると、大きなものでは約15㎝の大輪を咲かせるそう。さぞかし素敵なことでしょう、と言いつつも、まさに花より団子。その美味しさを知ってしまうと、若く未熟な堅い蕾を、収穫してしまう気持ちがよくわかります。

カルチョーフィ

江戸時代、日本にもオランダから伝わったカルチョーフィ。しかし、当時の気候や人々の生活には馴染まなかった

 蕾の周囲を覆う固い萼(がく)を一枚一枚取り除いて残る、中心部分のみが可食部分。イタリアではとてもポピュラーで、焼く・揚げる・茹でる・煮るといった、さまざまな料理に用います。特に新鮮でしっかりと身の締まったものは、薄くスライスして、レモン汁とオリーブオイルでサラダのように生で食べることもできます。個人的には、旬の掘りたての筍を生で食べる感じにすごく似ているように思います。

 カルチョーフィの歴史は古く、すでに古代ギリシャ、ローマ時代には、水やワインで茹でて食べる習慣がありました。その後、品種改良が進み、15世紀にシチリアからナポリを経て、トスカーナ州フィレンツェに伝わりました。

 当時その地を支配していたのは、かのメディチ家。その令嬢カテリーナ・デ・メディチがフランスのアンリ2世の元へ嫁入りする際、イタリア料理の伝統や技術がフランスへ持ち込まれました。フォークやナイフなどのカトラリーを使う文化や、ジェラート、そしてカルチョーフィもまた、そのひとつでした。

 縦長で棘のように尖った萼はリグーリア産。サルデーニャ産はすみれ色、上から押しつぶしたような丸みを帯びた形状はローマ産と、産地によってその品種と形状が異なります。現在のイタリアでは、さまざまな時期に見かけるカルチョーフィですが、古くは秋雨で成長が始まり、冬の終わりの2月頃から4月末まで収穫されていました。

 次回も、まさにこの時期が旬のカルチョーフィについてお話しします。

 


大庭麗

<大庭 麗(おおば うらら)プロフィール>

 東京都生まれ。2001年渡伊。I.C.I.F(外国人の料理人のためのイタリア料理研修機関)にてディプロマ取得。イタリア北部、南部のミシュラン1つ星リストランテ、イタリア中部のミシュラン2つ星リストランテにて修業。05年帰国。06年より吉祥寺にて『イル・クッキアイオ イタリア料理教室』を主宰。イタリア伝統料理を中心に、イタリアらしい現地の味を忠実に再現した料理を提案し、好評を博している。

 

  
 

 

 

タグ:大庭麗 カルチョーフィ アーティチョーク

 

 

 

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