来年度予算原案まとまる

  • 記事:大竹 良治

一般会計7兆4千610億円

 東京都は1月25日、小池知事にとって3回目の編成となる2019年度の予算原案を発表した。堅調に推移している企業収益により法人二税が増え、都税収入が5.2%増となったことを受け、一般会計の予算規模は前年度に比べて、5.9%増の7兆4千610億円と過去最大となった。

 このうち政策的経費である一般歳出は前年度比で8.0%増の5兆5千979億円で、2年連続の増となった。都は「東京の持続的成長に向け、より一層無駄の排除を徹底する一方、3つのシティ実現、2020年オリンピック・パラリンピックの開催準備を着実に進める予算配分を行った」としている。

5.9%増、過去最大規模に

 今回の予算編成では2020年大会の施設建設や幹線道路整備、豪雨・災害対策を着実に推進するため、投資的経費が前年度に比べ19.3%増の1兆3千269億円と大幅増となったのが特徴だ。

 特別会計、公営企業会計を合わせた全会計では前年度比5千155億円(3.6%)増の14兆9千594億円と15兆円に迫る額となった。

 一般会計の歳入のうち繰入金は3つのシティ実現に向けた基金を5千577億円取り崩すなどして、前年度比で1千466億円(32.5%)の増となった。その一方で、今後の景気変動による大幅減収に備えるため、都債の発行額を前年度比で11億円(0.5%)抑制し、将来に向けての発行余力を培った。

 政策的経費である一般歳出は前年度比4千157億円(8.0%)増の5兆5千979億円となった。経常経費は少子高齢化対策や産業活性化など、直面する課題に対応したとして、前年度比で2千9億円(4.9%)の増となった。給与関係費は退職手当が減となる一方、2020年大会準備のため、職員定数が689人増となり、前年度に比べ254億円の増となった。

 一般歳出を目的別でみると、「福祉と保健」が介護保険給付費負担金の増や受動喫煙防止対策の拡充などにより4.6%増の1兆2千600億円、「教育と文化」が公立学校の空調設備や2020年大会競技施設整備などにより9.5%増などとなっている。

 来年度予算は2月20日から開催される第1回定例会で審議される。

 小池知事は会見で「今年は平成が終わり、次の時代の幕開けとなる節目の年。新元号で生まれた子が成人する頃には、待機児童や介護離職、孤独死、交通渋滞といった言葉が『そんな言葉が昔あったんだ』と思えるような都政にしていくための予算と捉えていただければ」と述べた。

都民ファ、公明は評価
自民は政治姿勢を批判

 来年度予算案の発表を受け、都民ファーストの会は「わが会派が要望した予算が盛り込まれている」と評価、公明も「わが党の政策提言や要望が幅広い分野で反映されている」と高く評価した。

 一方、自民は予算発表前に特定の団体に査定結果を通達したとして、「人気取りのしがらみ政治に終始している」と知事の政治姿勢を批判した。

 共産は「石原都政以来つづく大型開発推進の予算配分は変わっていない」と批判、立憲民主は「少子高齢化を見据えた施策については、まだまだ不十分」と指摘した。

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