都政運営、市場問題等で論戦

  • 記事:遠藤 直彦

都民ファースト、公明が成果得る

 都議会第1回定例会は知事提出の議案をすべて可決し3月28日に閉会したが、それに先立ち、平成31年度一般会計予算案などを集中審議した予算特別委員会は3月26日、討論・採決を行い全28件の予算案を賛成多数で可決した。

 都民ファーストの会と公明、民主、東京みらいは全予算案に賛成した。自民は一般会計予算案に反対、共産は一般会計予算案、国民健康保険事業会計予算案、病院会計予算案など15案に反対、維新・あたらしいは一般会計予算案に反対した。

  12日の総括質疑に登壇したのは伊藤ゆう(都民ファ)、鈴木章浩(自民)、橘正剛(公明)、和泉なおみ(共産)、宮瀬英治(民主)の5氏。小池知事の都政運営、市場問題、オリンピック・パラリンピックなどについて論戦が交わされた。知事与党の都民ファーストの会や公明が成果を得る一方、小池知事と対立する自民、共産は市場問題などに対し批判を展開した。

 【都政運営】

 伊藤氏は小池知事による予算編成について、「政党復活枠の予算を廃止する一方で、都民提案、大学研究者提案予算を生み出した」と評価、知事の認識を質した。小池知事は「私が就任して以来、一貫して進めてきた東京大改革の要諦は、都民とともに進める都政の実現だ。こうした観点から政党復活予算の廃止、査定状況の途中経過の公表など、透明性を高める取り組みを実施してきた」と振り返り、今後も予算案をてこに東京大改革を進める意欲を見せた。

 宮瀬氏は小池知事が19日に政治資金パーティを開催したことについて、慎重な判断をすべきだと主張、「しがらみのない政治を訴え、支持を受けた知事はこういったパーティを続けるのか」と見解を質した。小池知事は「新しい都政の流れなどについての報告は、都民の皆様方に継続して行いたい」と答弁した。

 【市場問題】

 鈴木氏は、豊洲市場の地下水の水位が今なお目標水位まで改善できていないことを指摘、「この責任は安全な豊洲市場を2年間延期させて、追加土壌汚染対策を指示した小池知事と、それを後ろで差配した元顧問の小島敏郎氏にある」と迫った。小池知事は「市場用地は専門家会議での検証も経て、法的、科学的な安全性が確認、そして将来のリスクにも備えた追加対策工事をしたからこそ、さらなる安全性の向上が図られたと考えている」と取り合わなかった。

 和泉氏は「築地は守る、豊洲は活かす」との基本方針とその後まとめられた築地まちづくり方針素案に対し、「知事の公約違反ははっきりしたにもかかわらず、知事はいまだに方針転換ではないという態度をとり続けている」と批判、「豊洲を種地にして築地を再整備し、5年後に築地市場に戻ってくると、市場の方も基本方針を見て知事の冒頭発言を聞いて、そう受けとめたのではないか」と迫った。小池知事は「豊洲市場は中央卸売市場として、事業者の皆様とともに日々の運営はおおむね円滑に進んでいる。都が築地に再び卸売市場を整備することはない」とかわした。

 【オリンピック・パラリンピック】

 橘氏は、東京都が大会時に子供たちを競技観戦に招待する事業について、どれだけの子供たちが観戦できるか質した。中井教育長は「公立学校と私立学校を合わせて百万人以上の観戦希望が出ており、過去大会と比較しても、史上最大規模の子供の観戦が実現される見込みだ」と答弁した。橘氏はさらに、東日本大震災の被災地の子供たちとメダリストの交流の場を設けるよう提案、潮田オリンピック・パラリンピック準備局長は「今後、観戦する競技種目の選定など、招待事業の詳細を詰める中で、競技団体等と連携して、どのような交流が可能なのか具体的な検討を進める」と前向きな姿勢を示した。

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