減らない特殊詐欺をどう防ぐ

  • 記事:平田 邦彦

※写真はイメージです。記事と直接関係はございません。

自分自身で出来ることを考える

 警視庁の犯罪防止対策本部の集計によると、今年の5月までに特殊詐欺は1403件発生、29億円余りが詐取されたとある。

 あれだけ色々と報道され、それぞれが十分に注意している中で、これだけの発生を見ていることに改めて注目したい。

 対策として電話の録音告知をする装置の設置も進められているが、犯罪者側の手口も巧妙になって、新手の仕組みが登場して撲滅には至らない。

 非通知の電話は留守電にして取らない。必ず家族等に連絡をし直して確認をする、何を言われても軽率に動かず気軽に警察に連絡するなど、繰り返し呼びかけ啓蒙を図っても、犯罪数は減らず被害者が生まれる。

 さらに最近では自宅に現金があるかを事前に確かめて、直接取りに行くアポ電なる手法も現れて被害が拡大している。

 誠に残念ながら、犯罪者の知恵に取締り当局が追いついていないと言わざるを得ない。なれば都民それぞれが自覚をもって、犯罪を未然に防ぐ工夫を自分自身ですることを、もっと真剣に考えよう。

 まず犯罪者からのコンタクトは電話、郵便、インターネット、直接訪問が考えられるが、まず電話については、着信番号表示の機種を設置し、知らない電話は全て留守電対応として、すぐには出ないことをお勧めしたい。事前に登録されている知人以外の電話には一切出なければ、最初の段階は踏み越えられない。

 郵便は、内容に緊急性があればあるほど、パニックになりがちだが、落ち着いて内容を再確認し、親族、知人に相談して内容を精査することを心掛けたい。軽々に反応して、犯罪者の術中にはまることのないように気をつけたい。

 インターネットの場合は、高齢者はとかく自分が未熟だと思い、サイトを開いてしまったり、安易にクリックして法外な請求を突き付けられる被害も出ている。自分で解決しようと考えずに、触らず放っておいて、詳しい人に頼んで対応してもらうこととしよう。そうすればまず大きな落とし穴に落ちる危険は回避できる。

 最後に突然の訪問だが、顔を合わせてしまうと初期段階を乗り越えられているから、家人のいるときに再訪を促すなり、近隣の方に加わってもらって一人で話を聞くことを極力避けたい。

 また現金を自宅に置いておかなければ、対応のしようもないわけで、まずもって「人を見たら泥棒と思え」の格言に従い、一人で判断して軽はずみな対応をしないことが大切ではないだろうか。

 だます奴は悪い奴だが、だまされるほうも悪いとの思いを持たない限り、彼らの良い餌食でしかないと考えよう。防犯カメラの設置とか近隣との強い結びつきも日ごろから心掛けたい。

情報をお寄せください

NEWS TOKYOでは、あなたの街のイベントや情報を募集しております。お気軽に編集部宛リリースをお送りください。皆様からの情報をお待ちしております。