港湾局長 古谷 ひろみ氏

  • 聞き手:平田 邦彦

 東京都の各局が行う事業を局長自らが紹介する「局長に聞く」。今回は港湾局長の古谷ひろみ氏。東京港は首都圏の生活と産業を支えるうえで欠かせない物流拠点。加えて2020年大会の成功に向けた取り組みも進められている。クルーズターミナルの整備などについて伺った。

五輪時の円滑な物流を確保

港湾関係車両を時間で分散化

—局長に就任して2か月が経過しました。

 まずは、自然体で仕事することを心掛けています。そして、仕事は組織で進めるものと考えていますので、組織の力を2倍、3倍と伸ばしていけるよう、局内のコミュニケーションをしっかりと取りながら、各職員が意見を言いやすい、働きやすい環境を作っていきたいと思っています。

 港湾局は職員が約700人と、都庁組織の中ではそこまで大きな所帯ではありませんので、組織一丸となって取り組みやすい環境にあると考えています。

—来年はいよいよ東京2020大会が開催されます。

 東京2020大会に向けた課題のひとつに、大会の成功と港湾物流の両立があります。

 東京港は首都圏の生活と産業を支える物流拠点ですが、臨海部に多くの競技会場が集中し、大会関係車両が通行するため、大会期間中の円滑な港湾物流の確保が求められています。

 これまでも東京港では、抜本的な機能強化と交通混雑対策に取り組んでまいりました。中央防波堤外側の新たなコンテナターミナルのY2バースは今年度中に供用を開始する予定であり、臨港道路南北線及び接続道路についても整備が終盤を迎えていますが、更に様々な取組を展開して、大会時の円滑な港湾物流を確保していきます。

—具体的な取組は。

 大会期間中、夕方に集中する港湾関係車両を時間的に分散させるため、コンテナターミナルにおける貨物の搬出入時間(ゲートオープン時間)の拡大や、ストックヤード(24時間利用可能な貨物の一時保管場所)の増設に取り組みます。これらの取組については、本年8月下旬にトライアルを実施したところです。

 今後は、トライアルの効果を検証した上で、来年に向けて各関係者と連携しながら、最も良い形で港湾物流が機能するよう取り組みます。

 また、荷主企業や物流事業者の皆様に対する情報提供にも力を入れていきます。

 本年6月には、大会期間中における臨海部の主要道路の混雑状況を時間帯別に予測した「臨海部混雑マップ」を公表しました。今後、コンテナターミナル周辺道路の混雑状況をインターネットで提供するウェブカメラの増設も行う予定です。混雑予測情報とリアルタイムの交通状況を提供していくことで、荷主企業に対して配送時間の分散化等をお願いしていきます。

 そして、これらの取組については、大会時の一過性のもので終わるのではなく、その先の発展を見据えて展開していくことが重要と考えています。取組から得られた知見は大会後の更なる港湾物流の効率化につなげていきます。

東京国際クルーズターミナル(完成イメージ)(提供:東京都港湾局)

来年7月にクルーズターミナルが開業

—大会期間中、臨海副都心には多くの来訪者が見込まれます。

 国内外から臨海副都心に来訪する皆様に、より快適に過ごしていただけるよう、まちづくりを進めていく必要があります。

 このため、暑さ対策をはじめ、多言語対応やデジタルサイネージ、無料Wi-Fiの整備推進や、施設のバリアフリー化等を着実に進めていきます。また、大会後を見据え、海上公園に民間のノウハウ・資本を活用した商業機能・賑わいの導入等にも取り組んでいきます。

 また、2020年7月には、臨海副都心に東京国際クルーズターミナルが開業します。大会直前の開業で大会を盛り上げるとともに、大会後はクルーズ観光の拠点として発展するよう取り組んでいきます。

—臨海部の将来像について伺います。

 現在、政策企画局や都市整備局などと連携して「東京ベイエリアビジョン(仮称)」の策定作業を進めています。臨海副都心をはじめ、晴海、築地、豊洲など、各エリアの特徴を踏まえつつ、地域全体を点・線ではなく面として捉え、今後の成長をつくりだす場所となるようまちづくりを検討していきます。

—最後に今後の抱負を。

 島しょ振興も港湾局の重要な課題のひとつです。

 伊豆諸島及び小笠原諸島においては、島民生活の安定と向上、産業の活性化、防災力の強化に向けて、精力的に取り組んでいきます。さらに、東京港の高潮・津波対策も首都機能や都民の生命・財産を守るために着実に推進していく必要があります。

 港湾局は様々な事業を展開できる良い局だと思っています。仕事は楽しく、辛いことがあってもチームワークで乗り切っていきたいと考えています。

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