世界の衛生環境を改善

  • 記事:山下 里美

 世界では4人に1人が、安全で衛生的なトイレが利用できないという。株式会社LIXILは、2020年までに1億人の衛生環境を改善することを目標に「みんなにトイレをプロジェクト」を実施している。

みんなにトイレをプロジェクト2019

 安全で衛生的なトイレを利用できない人は世界に20億人、そのうち屋外で日常的に排泄している人は約7億人おり、このような不衛生な環境のため、5歳未満の子供が毎日800人以上も命を落としているという。

 LIXILは水回り製品を提供するリーディングカンパニーとして、このグローバルな衛生問題解決のため、同社の一体型シャワートイレ1台の購入につき、簡易式トイレシステムSATOを1台寄付する「みんなにトイレをプロジェクト」を2017年から実施。今年は、昨年締結したユニセフとのパートナーシップ「Make a Splash! みんなにトイレを」を通じて、一体型シャワートイレの売り上げの一部を衛生環境の改善のため寄付をする。

 同社が開発したSATOは、開発途上国向け簡易式トイレシステム。虫や悪臭を防ぐカウンターウェイト式の弁がついており、洗浄に必要な水もごくわずかで済む。さらに、1台数ドルと低価格なうえ、シンプルな構造なので設置も簡単だ。

 「これまでの2度の取組みで、約40万台のSATOを寄付することが決まったのですが、実際に設置できたのはそのうち12万台です。設置するには、場所や費用などが必要です。また、トイレがないことが普通となっている人たちには、『なぜトイレは必要なのか?』といった衛生教育も必要なのです。ですから今年は売り上げの一部を、トイレの設置や衛生教育などに使ってもらい、衛生環境の改善を加速していきたいと思っています」と、みんなにトイレをプロジェクト事務局の森本力さんは話す。

 「衛生環境の改善を持続的に実施していくためには、寄付だけでは成り立ちません。SATOは現地に根ざしたソーシャルビジネスとして、現地での生産・販売体制の構築や雇用促進などを行っています」と続けた。

 「みんなにトイレをプロジェクト」は11月まで実施しており、プロジェクトに賛同した人は、ユニセフに直接寄付をすることもできる。詳細は公式サイトから確認できる。

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