コロナの経験をどう活かすか

  • 記事:平田 邦彦

きっと立ち直れる

 新型コロナウイルス感染症対策に当たり、ご苦労をされている医療従事者、都庁職員はじめ、関係各位には、紙上を借りて改めて深い感謝を申し上げたい。

 それこそ昼夜、休日もなくご苦労をされていることを思うと、在宅勤務やステイホームで、平素叶わなかった諸々と断捨離に向かい合い、平時とは違っていささかゆったりとした時間を持てたことをありがたく思う反面、ふがいなさを禁じえない。

 いよいよ緊急事態宣言明けも期近に迫ってきたと思われるが、気がつけば二ヶ月ほどこれまでにない生活を過ごし、往時と同じになるとは思えない。顔を合わせずともそれなりにできた仕事もあれば、できなかったこともある。ここには新たな仕事の進め方、処し方が生まれてきた。

 ズームやらラインを使っての会議は常態化したし、必ず同じ事務所で一緒でなければ仕事ができないわけではないことを気づかせてくれている。定時に集まって朝礼をして一斉に仕事に向かった、かつての職場の光景は過去のものとなって、互いに成果、結果を求め合う新たな職場が生まれつつある。

 既にフリーアドレスオフィスは当たり前の光景になって、上席者を上座に置いて櫛形に整然と机が並ぶ光景は過去のものとなっている。

 定時後に酒席を共にし、濃密な人間関係を求めた職場の文化は消滅して、相互のパーソナリティとは無縁にビジネスだけの人間関係となってゆくのだろうか。老生には馴染みにくい世界だし、その中での身の処し方も想像し難い。

 互いを尊重し、相手の立場に思いを寄せて事を進めて来た日本のビジネスマインドは、新しいステージに入ろうとしているのだろうか。いやそれなりにまた新しい形での納まりを創り出してくれるのだろうか。

 いずれにせよ、この蟄居を求められて余儀なく新たな仕事の進め方を求められる中で、我々は多くの事を学び、体験した。それらを十分に生かして、冷え切った経済を立て直し、旧に倍する発展を目指そうではないか。

 下を向いている暇はない。これから新たなあり方を創り出してゆく絶好の機会を、この未曾有のパンデミックが与えてくれたと捉えて大きな飛躍を目指してゆこうではないか。

 あの強大な津波災害からだって、立ち直りつつある。今度だって頑張れるさ。

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