来年度の国予算に都が提案要求

  • 記事:遠藤 直彦

 東京都は先月27日、来年度の国の施策と予算に関する東京都からの提案要求をまとめた。都が提案要求した重点項目は162で、このうち最重要項目は65。2期目が始動した小池知事が目指す「東京大改革2・0」を推進する施策の他、新型コロナウイルス感染症への対応では、財政支援や感染症の影響を受けた中小企業への資金繰り支援などが新規に設けられた。提案要求は都の各局から各省庁に対して行われることになっている。

感染症対策を新規最重点に

 都の提案要求は、今後、国が行う予算編成において的確な措置が講じられるように求めるもの。

 最重点事項を見てみると、開催が来年に延期となった「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」については、開催に向けた全面的支援を要望した。大会の開催を「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証」と位置付け、国に積極的な財政措置を含めた主体的・全面的な支援を行うことなどが盛り込まれた。

 大会で懸念されるテロへの対策として、捜査能力の向上、テロの手段を封じ込める対策の強化、テロ災害で必要となる特殊医療に関する国立専門センターの設置などを求めている。

 都内での新規感染者数が高止まり状態にある新型コロナウイルス感染症対策は喫緊の課題。「新型コロナウイルス感染症に伴う地方の財政需要に対する確実な支援」「廃棄物・リサイクル対策の拡充」「新興・再興感染症対策の充実(新興・再興感染症対策の推進)」「医療機関における廃棄物処理に係る診療報酬制度の拡充」「感染症の影響を受ける中小企業者への資金繰り支援」を新規または最重点化の提案要求として提示、国の実効性ある対応を強く求めている。

 セーフシティの実現のためには、都市基盤整備の整備や防災対策が欠かせない。このため、建築物の耐震化の推進、木造住宅密集地域の整備促進、総合的な治水対策の推進などを盛り込んでいる。1時間50ミリ以上の降雨により発生する都市型水害の対策では、必要な財源の確保を求めた。

 ダイバーシティの推進では、少子社会対策の推進などをあげている。特に保育所待機児童対策に関しては、子供・子育て支援施策の強化と推進を図るための恒久的、安定的財源の十分な確保、公定価格の単価などについて大都市の実情に応じた財政支援の実施などを盛り込んだ。

 高齢社会対策の推進では、大都市にふさわしい介護報酬と施設基準の見直しを要求した。介護報酬の改正に対し、介護現場の実情を適切に把握することなどをあげている。

 スマートシティの実現に向けた提案要求では、東京外かく環状道路の整備促進をあげた。関越道から東名高速の区間については、整備に必要な財源を十分に確保し、早期に開通するよう求めた。東名高速から湾岸道路間については、基本計画の決定を目指すなど、計画を早期に具体化するよう求めている。

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