東京都の防災都市づくり
東京都 都市整備局 市街地整備部 防災都市づくり課

東京都は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震に強い都市づくりを進めるため、「防災都市づくり推進計画」を平成7年度に策定(平成15年度、平成21年度及び平成27年度改定)し、市街地の防災性向上のために、不燃化特区制度の活用や特定整備路線の整備などによる、木造住宅密集地域(以下「木密地域」と言う。)の改善などに取り組んできた。
「防災都市づくり推進計画」は、施策の基本的な方向や整備地域等を定めた「基本方針」と、それに基づく具体的な整備計画等を定めた「整備プログラム」で構成されている。
直近では、令和2年3月に「基本方針」を改定し、令和3年3月には、「整備プログラム」を改定した。計画期間は、基本方針が令和3年度から令和12年度までの10年間、整備プログラムが令和3年度から令和7年度までの5年間としている。また「木密地域不燃化10年プロジェクト」として取り組んできた「不燃化特区制度」を令和7年度まで5年間延長した。

防災都市づくり推進計画の改定

図1 農地を有する地域に対する取組のイメージ

図1 農地を有する地域に対する取組のイメージ

図2 地域特性を生かした街並みの住宅市街地への再生イメージ(渋谷区本町地区)

図2 地域特性を生かした街並みの住宅市街地への再生イメージ(渋谷区本町地区)

【基本方針】

 改定した「基本方針」では、特に甚大な被害が想定される整備地域を対象に、不燃化特区制度の活用や特定整備路線の整備等により、引き続き、整備地域の不燃化を強力に推進していく。

 整備地域以外の木密地域においては、敷地の細分化防止や建築物の不燃化などにより、安全で良好な住環境の形成を促進する。

 また、農地を有し、将来、無秩序な宅地化により、防災性を低下させる恐れのある住宅市街地については、農地の保全・活用を最大限図るととともに、やむを得ず宅地化される場合に備えて、必要に応じた規制・誘導の導入を促進していく。(図1)

 さらに、木密地域等の改善に併せて、木造住宅の良さや、路地裏の雰囲気などの地域の特性を生かした魅力的な街並みの住宅市街地への再生を促進していく。(図2)

【整備プログラム】

 基本方針を基に、各地域の具体的な整備計画などを定める整備プログラムを改定した。今後は改定した整備プログラムに基づき、諸施策を推進していくとともに、新たに取り組む施策等について、毎年度更新していく。

 ※整備プログラムの内容は、都市整備局のホームページ「防災都市づくり推進計画」に掲載

不燃化特区(重点整備地域)の取組

図3 不燃化特区(重点整備地域)令和3年4月現在

図3 不燃化特区(重点整備地域)令和3年4月現在

 「不燃化特区制度」とは、整備地域のうち、特に重点的・集中的に改善を図る地区を指定し、都と区が連携して不燃化を強力に推進して、「燃え広がらない・燃えない」まちづくりを進める制度である。

 老朽建築物の建替えや除却への助成、固定資産税等の減免などの特別な支援を昨年度まで「木密地域不燃化10年プロジェクト」として取り組んできたが、この制度を令和7年度まで5年間延長し、これに伴い、令和3年4月1日に不燃化特区を新たに指定した。

 新しい特区は、これまでの取組により不燃化が図られた押上二丁目地区(墨田区)の指定を終了するほか、大井二丁目地区(品川区)の新規地区や池袋本町・上池袋地区(豊島区)等8地区の区域変更などを含め、19区、52地区、約3,350haを指定した。(図3)

 不燃化特区における支援策については、建替えが困難な、道路に面していない敷地などに関する検討を支援するため、現況調査や改善策の検討、関係者との合意形成をコーディネートする専門家を派遣する「無接道敷地等対策コーディネーター派遣」を新設し、老朽建築物の除却後5年以内まで、耐火建築物等への建替え(設計費や工事監理費の一部を助成)を支援する「建替え促進支援」を拡充し、これらを活用して木密地域の不燃化へ向けた取組を推進していく。

防災都市づくりの進捗状況

図4 整備地域の不燃領域率(令和元年度 参考値)

図4 整備地域の不燃領域率(令和元年度 参考値)

 最新の防災都市づくりの事業実績を反映し、各整備地域の改善状況をわかりやすくまとめたのが、以下のグラフである。今後も引き続き、防災都市づくりを推進していく。(図4)

 ※整備地域ごとの不燃領域率の推移は、都市整備局のホームページ「防災都市づくり推進計画 ビジュアル版」に掲載

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