建物診断技術の普及活動が自然災害対策、 防災・長期寿命化対策に貢献します。
近年、超自然災害により建設環境は変化している。また、建設の長寿命化対策に伴い、建設の定期的診断・調査・計画など“予防的投資”の重要性が注目されている。安全・安心・衛生な街づくりが求められている今、超自然災害と建設・環境変化と建設“予防的投資”にとどまらない熱い思いを、一般社団法人建物診断研究所理事長、山原浩さんに語ってもらった。
“予防的投資”によって 建設の歴史が変わる
—一般社団法人建物診断研究所とは、どういう団体なのですか。
山原 近年、地震、豪雨、台風被害といった超自然災害が頻発しています。これからの建設事業はそういった自然災害対策だけでなく、温暖化対策としての脱炭素化、今般の新型コロナウイルスなど生活環境に対する対策など、今までとは違う建設技術で対応することが求められています。
IT・通信・交通・DB・AIといった分野も変化が著しいですが、建設業界でもさまざまな研究開発、技術革新、資源などが目まぐるしく変化しています。
それで、一級建築士や建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、構造設計一級建築士、建築設備士、測量士、土地家屋調査士など専門技術をもった技術者が集まって、建物に関しての調査、診断、報告ができるネットワークを構築したのです。特にシニア技術者の実績・経験・知識を生かし、ボランティアとして技術支援活動や災害レポート作成を行っています。同時に、災害被災地に義援金や支援金をお届けする活動を通して社会貢献も始めました。
一般社団法人建物診断研究所は、建物診断の普及活動を推進し、建物診断技術の調査・検査・施工の品質向上を目指すとともに、技術者の技術力を活用し、説明責任及び透明性を追求することで、建物診断の必要性とその技術を次世代へ継承していきたいと思っています。
—具体的にはどのようなことをされているのですか。
山原 建物診断に関する技術指導・助言、建物に関する技術相談、建物長寿化に関する建物診断、修繕、改修工事の対応及び対策が主です。また、法人会員の皆様の技術サポートも行っています。
建物診断の研究活動を通して、安全・安心の街づくりに対する技術指導や助言、建物長寿化対策のための建物診断・修繕・改修工事の対応及び対策、建物に関する技術相談を、実績のあるシニア技術者にお願いすることで、彼らに社会貢献の場を提供しています。
また、当研究所参加者による事業上の差別化を図り、コンプライアンス重視の体制をアシストしています。
私たちの活動を広く知ってもらうことは、技術者ボランティアのやりがいにもつながり、また、寄付行為やクラウドファンディングが充実するだけでなく、何より法人のブランド力の向上につながると思います。ぜひこのような精神文化をつないでいきたいと考えています。
株式会社都市テクノ、株式会社田崎技術、株式会社田崎、株式会社トランスメディア、脇坂会計事務所、有限会社招誠コンサルタント、株式会社デザインクルー、尾張谷 悟、株式会社アルファエンジニアリング、保全企画所、株式会社哲建、アポーメンテナンス株式会社、グリーンシステム株式会社、株式会社エフ・エス・エル、一般社団法人レトロフィットジャパン協会、株式会社オフィス山原、以上、一般社団法人建物診断研究所の法人会員、顧問、理事の皆様に御尽力いただき心より感謝申し上げます。
活動紹介
—技術相談/エンジニアネットワーク
法人会員からの建築・劣化・遵法性・施工品質向上の相談 ・実績のあるシニアエンジニアの活用 ・全国の技術者及び企業のネットワークを構築することにより技術サービスの連携を目的とし、シニア技術者に活躍の場の提供
—建物/調査・診断・研究
・建設業の実務業務における実績と経験値の研究 ・経験に基づく成功、失敗事例の共有 ・建物診断(インスペクション)の遵法性と災害調査 ・会員各社のモラル向上と誠実な対応 ・建設情報(劣化・防災・災害)の共有化 ・自然災害における災害レポート(技術)
—建物/改善・改修
・法人会員の各企業による技術アドバイス及び提案 ・改修・改善方法の対策と対応 ・検査から施行までの一貫体制(ネットワークサポート) ・法人会員の建設関連企業によるコラボレーション
—災害支援活動/ボランティア活動
・災害レポート ・災害に強い街づくり支援 ・住民一体の復興活動レポート ・ボランティア活動の実態など災害の実態報告 ・義援金寄付活動
—定例勉強会/法人会員技術力向上
・全会員による年4回の勉強会 ・実務レベルでの技術共有・問題解決議論 ・3DレーザースキャナとKUMONOSを使用した業務事例 ・外壁改修工事事例の考察 ・建物遵法性調査の報告 ・混合廃棄物分別システムについて
被災地視察報告
大規模な災害発生時には現地視察を行い、原因追及や改善方法を検討の上、できる限り正確な情報を発信しています。また、義援金及び技術支援により、微力ですが、早期復興に貢献したいと思っています。
現地を訪問していつも感銘を受けるのは、必死に立ち上がろうとしている被災地の皆さんの姿です。皆さまには、一日も早い復興をお祈りするとともに、貴重な時間をさいてご協力くださったことに心より感謝申し上げます。
【2016年4月熊本地震】2016年7月、熊本県益城町・由布市視察・義援金寄付
【2011年3月東日本大震災】2018年10月、三陸地方名取市・東松島市視察・義援金寄付
【2019年9月台風15号】2019年10月、千葉県鋸南町視察・義援金寄付
【2020年7月九州豪雨】2020年11月、佐賀県太良町 熊本県人吉市視察・義援金寄付
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