国際認証で感染予防対策を見える化
アフターコロナの常識に
株式会社グローバルゲイツ

  • 取材:種藤 潤

施設内でのマスク着用や入室時の手の消毒など、ウィズコロナの生活様式が定着してきた。今後は、感染再拡大の可能性もあり、ホテルや公共・商業施設の利用者は「感染予防対策」を重要視しはじめているという。株式会社グローバルゲイツは、その強化手段として世界基準の感染予防対策衛生認証プログラム『GBAC STARTM』に着目、オフィシャルパートナーとして国内での普及に取り組み始めた。

株式会社グローバルゲイツが普及を進める世界基準の感染予防認証『GBAC STAR(TM)』のロゴマーク(写真すべてグローバルゲイツ提供)

感染症対策エキスパートが開発 国内では観光庁が推奨

 『GBAC STAR(TM)(ジーバックスター)』とは、新型コロナウイルスにとどまらず、あらゆるウイルス感染を予防するための世界基準の感染予防対策衛生認証プログラムの一つだ。

 2020年5月、世界的に新型コロナウイルスが感染拡大するなか、米国の国際清掃協会(ISSA)内の部門「Global Biorisk Advisory Council(グローバルバイオリスク委員会)」の感染症対策のエキスパートにより開発されたプログラムで、感染症の発生予防から発生時の対応、リカバリー作業まで認証する。

 制定して2年足らずだが、すでに世界中で取得が進み、日本国内でも高級ホテルやMICE(ビジネスイベント)施設など24施設が取得済みで、そのうち4施設は観光庁が認証取得の実証実験として支援している。

 ちなみに『GBAC STAR(TM)』に並ぶ世界基準のプログラムとして、試験・検査・認証機関のビューロベリタスが設立した『SAFEGUARD』認証がある。

グローバルゲイツの梅村真行代表取締役

ホテルに特化した清掃事業 コロナを機に感染予防対策にも

 『GBAC STAR(TM)』を取得するためには、20項目(図表参照)の準拠が求められ、オンライン講習とオンラインテストを受けて書類を提出する必要がある。そのための組織体制構築と書類準備が必要となり、認証を受けるのは決して容易ではない。だからこそ、この認証の価値があると言えるのだが、その認証のサポートを各国で行っているのが『GBAC STAR(TM)』オフィシャルパートナーである。数少ない日本のパートナーの中で、特に国内の取得拡大に力を入れるのが、株式会社グローバルゲイツである。

 同社は2007年福岡県で創業、“人と環境に優しい”商品を企画開発してきた。

 2011年には東京に移転し、2013年からはホテル客室清掃事業に参入。高級ホテルからビジネスホテルまで、高品質な清掃技術を確立した。

 2020年以降は事業的にコロナ禍の影響を受けるも、ホテル等での感染対策の重要性を痛感。さらに逼迫した医療現場を救うべく、感染症対策を想定した防疫(除菌)清掃にも参入。2021年には「医療関連サービスマーク」を取得し、コロナ禍病棟での防疫清掃技術も構築した。現在はこれらのノウハウを活かしながら、設備管理などのファシリティマネジメント、異業種企業との連携、清掃のコンサルティング、前出の“人と環境に優しい”商品開発と、「キレイを創る会社」として幅広い事業を展開する。

 株式会社グローバルゲイツの梅村真行代表取締役が『GBAC STAR(TM)』の存在を知ったのは防疫清掃事業に参入したあとだったと、当時を振り返る。

 「今後は第三者機関が認定するガバナンスのある感染予防対策の仕組みが必要だと感じ、独自にプログラム作りに着手していました。そのなかで、世界では『GBAC STAR(TM)』などの認証があることを知り、内容も素晴らしく、すでに普及が進んでいる。それを活用しない手はないと思いました」

 オフィシャルパートナーになるため、まずは国内初となる、清掃業として認証を取得。2021年10月には正式にパートナーとなり、すでにいくつかの認証取得のサポートを実施している。

オフィシャルパートナーになって間もないが、多くのホテル等の商業施設からの問い合わせが来ているという。写真の「あてま高原リゾートベルナティオ」(新潟)は既に導入が決定している

認証は感染予防対策の切り札 東京も国際基準の“見える化”を

 梅村代表はこの認証が今後の国内感染拡大予防の切り札になると見据え、さらなる認証拡大に取り組む。

 「現在100万を超える国内の諸施設の半分が認証を取得すれば、感染増加はかなり食い止められると私は考えます。また、弊社では今秋に認証申請プログラムを完成させ、感染予防対策のノウハウを蓄積・分析することが可能になります。そのデータを国や自治体に提供し、新しい予防対策環境の構築に役立ててもらえれば、さらに国内の感染対策は万全に近づくと思います」

 前出の通り、すでに国内でも『GBAC STAR(TM)』認証の実例はあるが、世界的な普及に比べるとこれからである。今後、入国規制緩和が進むことなどを考えた際、国際的な『GBAC STAR(TM)』のような認証の価値が高まっていくことは、十分想定される。

 「お客様にはもちろん、働くスタッフの安全のためにも、感染予防対策は必須であり、企業や組織の責務だと私は考えます。それを世界中の誰もがわかる形で“見える化”できるのが『GBAC STAR(TM)』です。それに、取得には手間ばかりかかるわけではなく、業務の効率化やコストダウンにもつながります。何よりこの認証により“安心というブランディング”も手に入ります」(梅村代表取締役)

 東京では、今後世界規模のイベントが開催され、国際基準の“見える”感染対策が求められるだろう。梅村代表はその点も視野に入れ、東京での『GBAC STAR(TM)』普及にも注力する。

 「2020東京オリパラ大会の際、東京の人々の清掃に対する意識の高さが、世界的に評価を受けました。今後は感染対策でも評価されるまちにするために、一つでも多くの施設に認証を取得してほしいです」

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