生活文化局長 野間 達也氏

  • 聞き手:平田 邦彦

 東京都の各局が行っている事業を局長自らが紹介する「局長に聞く」。今回は生活文化局長の野間達也氏。都政と都民を結びつける広報や私学助成など、都民との接点が多い局だ。新型コロナウイルスに関する広報、多文化共生・共助社会づくり、五輪の文化プログラムなどについてお話を伺った。

多文化共生・共助社会を推進

生活文化局長 野間 達也氏

コロナ対策の情報を積極提供

—新型コロナウイルス感染症に関する広報は重要です。

 新型コロナウイルス感染症に対する都民の不安を解消し、感染拡大を防止するためには、都民への積極的な情報提供が重要です。日々の感染者数や検査実施数等、最新の情報を都民や事業者の皆様に迅速に届ける必要があります。

 また、新型コロナウイルスとの戦いを見据え、暮らしや働く場での感染拡大を防止する新しい日常の定着や、感染拡大防止と経済社会活動との両立を図るための「感染防止徹底宣言ステッカー」の活用等、都民や事業者の方へ向けて伝わる広報を行うことが必要です。

 こうした観点から、知事からのメッセージや最新情報などを「東京動画」やユーチューブでライブ配信するとともに、広報東京都、ホームページ、SNSなどに加え、テレビ・ラジオCM、新聞広告など多様な媒体をフル活用し、積極的に情報発信を行っています。

—多文化共生・共助社会づくりは東京の課題です。取組みは。

 都内に住む外国人は、最近5年間で約13万人増えており、国籍も多様化しています。そのため、外国人の相談体制や日本語教育、少数言語対応などの拡充が必要となっています。

 また、1年延期された東京2020大会の気運を継続させ、ボランティア文化の定着につなげる仕組みとともに、町会や自治会に対しては、より地域の状況に応じた支援が必要になります。

 さらに新型コロナウイルスにより、外国人への情報伝達、ボランティアや町会・自治会などの活動が従来どおりに執り行えない状況が生じています。

 こうした状況を踏まえ、都域全体でコミュニティの活性化を推進していくため、多文化共生や共助に携わる人々や団体をネットワーク化し、その中心として専門人材を継続的に確保し、機動的な推進体制をもつ新たな財団「一般財団法人 東京都つながり創生財団」を10月に設立します。

 理事長には異文化交流に関して様々な活動を行い、また、自ら代表を務めるボランティア団体での活動も活発に行っているマリ・クリスティーヌ氏に就任していただくことになっています。

 この財団では、「様々な人が安心して暮らせる多文化共生社会づくり」として、外国人相談体制の整備や、「相互に助け合う共助社会づくり」として、ボランティア文化の定着、それから、町会や自治会などの地域コミュニティ活性化支援に関する事業を順次展開していきます。

 こうした取組みで、新しい日常における「都民一人ひとりが輝ける社会」を実現したいと考えています。

TTFで五輪に文化面の感動を

—東京2020大会に向けた都の文化プログラムはどうなっていますか。

 オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であるとともに、文化の祭典でもあります。開催都市として、文化の面からも感動を届けたいと思っています。

 日本や世界各国のアート、音楽、演劇、伝統芸能、舞踊、パフォーマンスをはじめ、多彩なジャンルのプログラムに、東京の様々な場所で多くの人たちに触れていただく祭典が「Tokyo Tokyo FESTIVAL」です。

 その中核となる「Tokyo TokyoFESTIVAL スペシャル13」は、斬新で独創的な企画や、より多くの人々が参加できる企画を幅広く募り、国内外から応募のあった2436件の中から選ばれた13件の事業です。一部の事業は昨年実施しましたが、新型コロナウイルスの影響により、今年予定していた事業の実施を延期しました。

 現在、来年行われる東京2020大会に併せて、企画の見直しや時期の再設定等、実施に向け準備をしていますので、ぜひ楽しみにお待ちいただきたいと思います。

—職員へのメッセージがあればお願いします。

 現在、新型コロナウイルス対策のため、色々な事業を休止、縮小するなど思うようにできないというところがあります。

 まず、この先コロナウイルスとの戦いの中では、知恵を出しながら、施策を進めていかなければいけません。こういう状況の中で、どうすれば事業が実施できるのかということを皆の知恵を集めて、乗り越えていきたいと思っています。

 それから、2つ目は、それに関して決して諦めないでほしい。諦めてしまったら終わりですので、もがき続けて、一緒に前に進んでいきたいと思います。

 3つ目は、都民の為になることは、何でもやるというような考え方で物事を考えてほしい。

 私も先輩方からそのように教わってきましたし、今までも、職員の知恵を集めて色々な困難を乗り切りながら、一つ一つ前に進めてきたという経験があります。どうかそういう考え方で仕事に臨んでいただければありがたいと思っています。私もそういう考えで努力していきたいと思っています。

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